図書館に「教科書展示コーナー」が有ったので、各社の「高校日本史教科書」を見てみました。そうしたら、「通説」崩壊で影響を受ける記述が複数ありました。
「清水書院」の教科書を例にとって今回は3点紹介。(当該教科書は[追記]に抜粋掲載)
①「通説」の記述
「後漢書の倭に関する記述の多くは『三国志』による」と以下のように明記。
→これは「通説」崩壊の場合は修正必須。
ただし、他社は通説の記述が無く、「清水書院」・「山川出版」・「実教出版」・「東京書籍」・「第一学習社」とあった中で「清水書院」だけ通説の記述有り。理由は未把握。
殆どの教科書で、「桓霊間」と「七、八十年」の両方記述有り、
→『後漢書』からは「中元二年・永初元年遣使」の引用と予想していたら、その後の「桓霊間倭国大乱」まで入っていました(上図上段)。
更に、「魏志倭人伝」の「住まること七、八十年、倭国乱」(上図下段)も記載されているため、「後漢書は魏志依拠」なら冗長。(上図の実際の教科書上の配置は[追記]参照)
「後漢書は魏志依拠」が崩れると、この箇所のように「同じ事象に対して両書の記述に相違がある」場合は、どう解釈するか?の論議が必要になって来ます。
各教科書とも同趣旨の以下のような記述で、「位置論議」の重要性を記述しています。
→間違った「通説」が崩れると、位置論議も進展が期待されます。
以上
「追記」
参考用に清水書院教科書から関連部を抽出して掲載します。
追記以上