邪馬台国「新証明」

古代史を趣味で研究しているペンネーム「古代史郎」(古代を知ろう!)です。電子系技術者としての経験を活かして確実性重視での「新証明」を目指します。

2023-04-01から1ヶ月間の記事一覧

(B044)「濊」伝の両書比較

「濊」伝の両書比較 (基本的に横方向の項目同士で対応が見られます。但し、一部は順番が変わってています。また「魏代」の記事は後漢書に無し。なお、対応しているように見える記事でも語句や内容が違っている項目が多いです) hyenaさんとのツィッターやり…

(B043)佐伯有清氏の見解検証2(史料系統...山尾幸久氏見解とも比較) 

佐伯氏の史料系統への見解で注目点は「大鴻臚(だいこうろ)」を取り上げています。 ◆ <『魏略』 にも東夷伝があったことについては、 『魏略』東夷伝、 および『魏志』東夷伝の原型が、大鴻臚(だいこうろ)(外国の賓客、蕃夷の使者のことをつかさどる官庁)に…

(B042)「大乱と卑弥呼共立」検証2(仮説:魏志は統治の時系列を記している)

前記事で「有男弟佐治國」は、統治体制の記述になると考えて以下の考察を行いました。 ●卑弥呼が祭祀のトップで、男弟が政治のトップでは、その一族に権力が集中しすぎるので、当初は各部族(国)の有力者による合議制などが想定され、「男弟佐治國」にはな…

(B041)「大乱と卑弥呼共立」検証1

習俗記事に続いて「大乱と卑弥呼共立」記事についても分析してみました。 まず魏志の習俗記述で、「持衰」を境に、A(後漢代原史料)とB(魏代追加)に分かれるのではないか、という当方推測を見易くした図を再掲します。 習俗の後に有る「(大)乱と卑弥呼…

(B040)韓伝の国数(魏略追加)

以下記事で韓伝の「国数」を検討しました。 (B028)三木太郎氏論考の検証2(韓伝の国数) - 邪馬台国「新証明」 →「翰苑」の魏略逸文にも国数が有るので、三書で改めて韓伝の国数比較。 ①魏志 馬韓国数 <馬韓在西。其民土著,・・・散在山海間,無城郭。有爰…

(B039)佐伯有清氏の見解検証1(「烏桓」と「烏丸」)

佐伯有清氏見解 ◆「魏志倭人伝を読む上」邪馬台国への道” P18 < 司馬彪撰の『続漢書』は、先行史書である王沈撰の『魏書』を継承しており、そして范曄撰の『後漢書』は、『続漢書』を受け継いでおり、『続漢書』を通じて『魏書』の文を継承しているのである…

(B038-1)後漢書倭伝と魏志倭人伝の「習俗等の記述順比較」6(橋本増吉氏の見解について)

橋本増吉氏の「史料接合」に関連する見解を整理 ①「風俗習慣に関する疑問」[添付1] <倭人の風俗習慣に関する記事・・・その部分は最も乱雑な記載となって居り、・・・ただ諸種の史料を雑然と採取接合せしものに過ぎざることは、一見して明白なるところであ…

(B038)後漢書倭伝と魏志倭人伝の「習俗等の記述順比較」5(「大人」対応関連)

◆魏志倭人伝 (20)見大人所敬,但搏手以當跪拜。 →貴人に拝謁するとき、尊敬を表すにはただただ拍手し、両膝を床につけて丁重に拝礼しなければならない。 (28)下戶與大人相逢道路,逡巡入草。傳辭說事,或蹲或跪,兩手據地,爲之恭敬。對應聲曰噫,比如然諾。…

(B037)後漢書倭伝と魏志倭人伝の「習俗等の記述順比較」4(「其」の使用箇所)

習俗記述の中で、「其」が使用されている箇所を赤色にしました。 多用されていますが、特徴として、「C」部は文字数が多いのに「其」の使用無し。 「C」部は高度な社会性を伺わせる記述となっていることに加えて、他項目とは「其」が不使用になっている違い…

(B036)後漢書倭伝と魏志倭人伝の「習俗等の記述順比較」3

更に考察を深化させます。 まず昨日の図を縮小して再掲。 魏志倭人伝の習俗記述部を大きく2分割して次のように推定(「持衰」の前と後) A:原史料内容(後漢代に得られていた情報...基本的に霊帝頃まで) B:新規追加情報(魏代の倭や魏の使者等からの新…

(B035)後漢書倭伝と魏志倭人伝の「習俗等の記述順比較」2

「後漢書は魏志を参照して書かれた」という「通説」の場合に、どのような変更になるかを分かり易くするために、左側「魏志」・右側「後漢書」の配置の表も作成してみました。 並び順の交錯が多く、しかも文章が微妙に変わっている項目が殆どです。 これに「…

(B034)後漢書倭伝と魏志倭人伝の「習俗等の記述順比較」

後漢書倭伝と魏志倭人伝の「習俗等の記述順比較」を行ってみました。 比較結果表は以下です。 ◆現在、分ってきたこと(比較表に付与したA~Cごとに説明) A:魏志では「黥面文身」に一番注目しているように見えます →「黥面文身」の記述が、後漢書No⑦ ⇒ 魏…

(B033)東夷伝比較「夫餘伝」

魏志の「夫餘伝」の構成を見てみたところ、烏丸伝(鮮卑伝も)と同様の構成で、大きく 「AとBの二つの部分」に分けられることが分かりました。 烏丸伝と夫餘伝の構成と説明を以下に示します。 A:後漢代 →烏丸伝はこの部分が王沈「魏書」の引用になってい…

(番外編)将棋の藤井さんの話

番外編です。 今日から将棋の「叡王」戦五番勝負が始まります。 最強棋士「藤井聡太」六冠に挑戦するのは振り飛車党の「菅井八段」です。 将棋は駒の動かし方ぐらいしか知らないのですが、多くの人と同じように藤井さんが登場してから関心を持って「観る将」…

(B032)東夷伝比較「沃沮伝」

「沃沮伝」の比較検討で見えたことを以下表を基に説明します。 1.後漢書と魏志で位置が違う記述有り(多分陳寿が動かした?) ①産物や性情、言語・食飲・衣服など(高句麗に似ている) ②葬礼 ➡位置が離れているが、後漢書の方が自然な並びに見えます。 魏…

(B031)東夷伝比較「濊伝」

後漢書と魏志の東夷伝比較を続けます。 まず趣旨説明のために、後漢書四夷伝(中身は六伝)と魏志の比較表を再掲します。 六伝中の五伝は、魏志を参照しても書けないことが完全に証明されています。 残りの東夷伝において、「倭伝以外の諸国」も魏志依拠でな…

(B030)東夷伝比比較「挹婁伝」

三木太郎氏は「刪潤」という言葉を用いて「魏志依拠説」を主張。 <後漢書」編述の際には「魏略」または他書も参照されたであろうが、その「大綱」は「魏志」倭人伝により洲潤されたものであろう・・・ 「後漢書」の前文は「魏志」よりの意識的刪潤と言える…

(B029)三木太郎氏論考の検証3(韓伝の記述や、それからの発展考察)

三木氏の基本的見解 <魏志に導かれた後漢書編者の作為であることは明瞭である> →しかし、両書には「原史料」が有ったはずで、原史料の存在を想定すると、実際の参照関係はどうなっていたか? それを考えるにあたって「共通的記述対象で名称が異なるもの」…

(B028)三木太郎氏論考の検証2(韓伝の国数)

三木氏見解 <大乱の前後の国数が等しく三十国とあることは(范曄の)意識的作為という外に無い> →この考えからヒントを得て、倭よりも多い国数の記述が有る「魏志韓伝」を見てみました。 <馬韓在西。・・・ 有爰襄國、牟水國、桑外國、小石索國、大石索國…