2022-01-01から1年間の記事一覧
「この人が卑弥呼」 Kindle版 amazon 当方が「鉄鏃」の件を発見したのが2020年4月4日です。 邪馬台国論議の「根本的な見直し」につながる可能性がある件のため、慎重かつ詳細な検討を継続して、約2年経って今年ブログ化したのが本ブログの第一稿です。 (B00…
前記事(B015)(B016)に引き続き、『後漢書』倭伝を分析しました。 赤字:魏志に無い内容 青字:漢書や魏略に有る内容と同等(楽浪と帯方などは同等とした) 緑字:漢書地理志粤地の関連(詳細は相違あるが関連として認識) 黒字:魏志と似た内容(特に習俗・…
前記事(B015)に引き続き、『後漢書』高句麗伝を分析しました。 高句麗伝は、魏志と後漢書以外に二つの史書に記述が有りますので、計四つの史書で表を作成しました。 表の中で、新たに加えた以下の二史書は次の色にしてあります。 ◆太平御覧所引『魏略』(緑…
『後漢書』夫餘伝の分析結果を以下に示します。 ◆文字数(記号を含んだ概略数...A~D合計で696文字) A(黒字):44文字⇒概ね「魏志」に有る部分 B(青字):163文字⇒魏志に無く、概ね「魏略」に有る部分 C(黒字):278文字⇒概ね「魏志」に有る部分 D(…
異国伝で「魏志に無くて後漢書に有る」記述を紹介してきましたが、逆観点の「魏志に有って後漢書に無い」記述もまとめてみます。(原文は主にWikisource使用) ①「鉄鏃」(倭人伝と倭伝) この件は当ブログの最初の記事で紹介しています。 ”(B001)後漢書は魏…
東夷伝と烏桓鮮卑伝において、「魏志」には無くて、「後漢書」にある記述が存在します。 また「後漢紀」にも「後漢書」に対応する記述が有りますが、簡略になっています。 推測としては、陳寿・袁宏・范曄が見た共通的な史料(原史料)があったと想定。 その…
范曄が後漢書を作成する際に参照した「原史料X」の候補として「東観漢記」について考察してみます。 1.「東観漢記」と「後漢書」の異国伝比較 →東観漢記の異国伝は逸失が多いので、元々は後漢書の異国伝と同じ構成であった可能性があるでしょう。 古代中国…
これまで「後漢書は魏志の要約か要約でないか」を検証して、「要約ではない」という証明を行ってきました。 ただし、「要約」という言葉は人によって認識に違いがあるかも知れないので、もっと明快な判定を行うために「後漢書は魏志を参照したかどうか」を論…
前記事(009)では、「後漢書には魏志には無い異国伝が複数ある」という事実を紹介しました。 もし、この事実が広く着目されていたら、「後漢書は魏志の要約である」という見方には、もっと早くから疑問が呈されていたのではないかと思います。 同じことが、「…
「後漢書は魏志の要約ではない」という証明を行います。 1.王朝の年代と正史の成立年代 まず背景として、「後漢と三国(魏・蜀・呉)については、王朝が存立した年代と正史の成立年代が逆転している」という事実が有ります。 下図に示すように、後漢書の成…
安本氏の説についての続きです。 同氏著作「巨大古墳の被葬者は誰か」から、箸墓古墳についての仮説引用。 <【四つの仮説】 箸墓古墳については、さまざまな仮説が成立する。すなわち、[仮説1〕箸墓古墳の築造時期は、崇神天皇陵古墳よりも新しい。[仮説2〕…
今回は「後漢書は魏志の要約ではない」を検証する中で、背景説明のために「後漢書倭伝は魏志倭人伝に依っている」という見解例をまとめてみました。 非常に沢山あるのですが、邪馬台国論議における戦前と戦後の二つの論争の当事者の見解を抽出しました。()…
「太伯と大夫」についても2020年に着目し始めた点です(当時は通説的な「魏略ベース」前提で考えていました) これについて東洋学者の「橋本増吉」博士(1880年 - 1956年)がずっと前に示唆を与えてくれていました。 まとめてみると、橋本博士は以下指摘。 …
「証明1~4」で完全証明と考えていますが、通説とは真逆の結論になるので、補足説明などをして行きます。 先ずは「証明1鉄鏃の有無」の文末[補足]に書いた「石鏃」に関する考察です。 「鉄の古代史」という本を書かれた考古学者「奥野正男」氏の研究を引…
これまでの証明1~3で「『要約ではない』の完全証明が達成出来た」と考えています。 簡単な図にしてみましたが、魏志に含まれない記述が後漢書に多数あり、これを「要約」とは呼べないことは明らかです。 しかし、今までの通説とは真逆になるので、認識し…
本ブログ第一回は「魏志倭人伝と後漢書倭伝」、第2回は両書の「(倭を除く)東夷伝」同士の比較を行って、「後漢書は魏志の要約ではない証明」を提示しました。 続いて、(裴注)魏志『烏丸鮮卑伝』と後漢書『烏桓鮮卑伝』も比較してみます。 先に結論を述べ…
史書の記述の中で、「年号」が入っているものは明確な検証がし易くなります。 例えば後漢書倭伝では、後漢代における倭の遣使記述が有ることは、よく知られています。 ●建武中元二年,倭奴國奉貢朝賀,使人自稱大夫,倭國之極南界也。光武賜以印綬。●安帝永…
タイトルにあるように、「後漢書は魏志の要約ではない証明」と補足の検証を行っていきます(タイトルのB001~は通番です)。 なお、邪馬台国論議を既にある程度深くご存知の方向けを想定していますので、一般的な背景説明などは省略が多くなると思います。 1…